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祖母の遺品を履いて授業へ

こんにちは。今日は家庭科の授業記録を残します。

高校生・家庭基礎の授業で、ファストファッションの話をしました。

まずはいろんな会社が出している「白T」から、自分が購入するならどれ?

その白Tにしたのはなぜ?と問いかけ、授業の導入にしました。

G●の490円のTシャツ、ユニ●ロの1500円から、

ジル●ンダーやプ●ダ16万円超えのTシャツまでラインナップ。

選んだ理由は各々プリントに書き、発表はせずにこちらでピックアップ。

「汚れやすいから安ければ安いほどいい」「安すぎると怖いから中くらいの価格にした」

「袖や裾の丈が自分の好み」「素材がしっかりしていそう」などなど、

それぞれの視点で服を選んでいました。

その後、家庭科室に受け継がれているドキュメンタリー映画

映画『ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~』を鑑賞。

英語+日本語字幕なので、長尺で見るとついてこられない生徒も散見・・・

今回は40分くらいかけて、主に前半、解説しながら飛ばし飛ばしエンドロールあたりまで鑑賞しました。

物語の始まりはおよそ10年前の「ラナ・プラザ崩落事故」について。

安さを追求する消費者に呼応した企業が労働力を買い叩くことで起きた

ファッション業界で最悪、最大の悲劇だと言われています。

本編中に「実感のないホラー映画のようだ」とコメントがありますが、まさしくその通り。

煌びやかなファッション業界の裏側を見て、教室が静まり返ります。

その後、フェアトレードの活動をする団体や

バングラデシュの工場で労働組合のトップを務める女性、

(よくインタビューに答えたなと言いたくなる最悪の工場長も登場)

インド綿栽培における遺伝子組み換え種子・化学薬品の使用の影響について調査する博士や、

オーガニックコットンの農場を経営する未亡人の女性(なぜ未亡人なのか、という問い)、

大量消費を後押しする広告を研究している学者さんなどのインタビューが並びます。

鑑賞後、ワークシートに感想や疑問、これから衣服を選択する際に生かしたいことなどを記入。

最後には私自身の話もしました。公開と、懺悔です。

ラナプラザの事故に関わっていたブランドの鞄を買ったことがあったよ、というと集まる視線。

大学生の時に阿倍野キューズモールで買った、白い合皮のポシェット。

安くて可愛い〜と思って買って使ったけど、もう手元にはない。いつ捨てたかも思い出せない。

やっぱり、本当に愛着を持てるものを大事に使いたいよね、

実は私は今日、祖母の遺品(なんというか、形見ですらない)のズボンを履いているのさ、

というと「遺品!?」とどよめく教室。

最後に、白Tの新しい選択肢を提示して授業終了。

今回は「オーガニックコットンTシャツ」「水平リサイクルTシャツ」

「10年着ることがかっこいいという価値観を提示する、10年Tシャツ」を紹介しました。

親のお金で服を買ってもらっている生徒たちに、

明日からファストファッションを買うなと伝える気は毛頭ありません。

ただ、自分のお金で服を買う時が来たら、この映画を見たことを思い出して、

自分が「賛成」できる服にお金を出してね、

そして今持っている服を、リペアしながら大切に着ようね、というのがメッセージ。

私自身も、今までに買ったファストファッションの服を日常的に着ています。

せめてその服たちも、自分のもとではスローで着たい。

新しい服を買う時は、「購入は投票」。大切にしたいものを選んでいこうと思います。

おまけ写真は先日旅行に行った時の写真@岩手県盛岡市、光原社。

亡くなった祖母の着ていたブラウス、ふりふりで可愛いんです。

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